(^_^)←この顔文字が最初に使われたのはいつ?
絵文字進化論第3回
■江戸時代の日本にも顔文字が
日本の顔文字の祖先も、少なくとも江戸時代まで遡ることができます。当時流行っていた遊びに、文字を組み合わせて物や人の輪郭に見立てる、「文字絵」というものがありました。ひらがなの「へのへのもへじ」の字を使って顔の形を作る文字絵がよく知られています。「へ」は眉毛で、「の」は目、「も」は鼻、「へ」は口、最後の「じ」は顔の輪郭です。1848年の資料にその姿を確認できます。遅くても19世紀前半には既に定着していたのではないでしょうか。
ちなみに、現代の一般的な呼称は、「へのへのもへじ」となっていますが、図4にあるように、江戸バージョンには「へへののもへいじ」があったようです(近年でも、西日本などでは「へへののもへの」「へへののもへじ」という呼び方もあります)。「もへいじ」と「い」が入っていたのは、江戸時代には茂平次(茂兵衛治)さんがいたので、その名前がモデルになったのではないかとも言われています。
表すという点は現代の顔文字と同じです。現代はと言えば、広告やゆるキャラのデザインでも、文字をキャラクターの目や鼻に見立てる例をよく目にします。例えば、KUMONの広告ポスターは、「国語」を平仮名で書いた「こくご」は、「こ」と「ご」は目、「く」は鼻となっていて、現代版「へのへのもへじ」と言えるでしょう。
もう一つ、最近発見したのがゆるキャラの「松戸さん」です。松の「木」はちょっと薄めの髪の毛の部分、「公」は目と鼻、「戸」は口とひげ(かな? )になっています。目の形のせいか、私には少し悲しげに見えますが、日本人にはやさしそうで、そしてちょっと照れくさそうに見えるようです。松戸さんは、ツイッターのアカウント(@matsudosan333)もあって、顔文字化までされています。顔文字も、「松」の字をうまく分解して (木●´ム`●) とかわいいらしい形になっています。
以上かけ足でしたが、まとめてみましょう。顔文字がデジタル上で広く使われるようになったのは1980年代以降。発想としてはそれよりもっと前からあった。ひるがえって現代になると、SNSやメッセージアプリで使われる顔文字だけではなく、ゆるキャラや広告の世界など、幅広く浸透しています。